「伴走型」で現場に密着。東大松尾研発のAIスタートアップ
株式会社QuackShiftは、東大の松尾研究室発のAIスタートアップとして、物流・サプライチェーン領域を中心にAIソリューションの開発・提供を行っています。2023年末に創業し、現在は約30名規模へと成長。AI導入の企画段階から現場運用まで伴走するスタイルを強みとしており、大手企業を中心に、単なる技術提供に留まらない「課題解決型」の支援を展開しています。
「我々は『伴走型』と謳っているように、ただ『AIを入れました』で終わるような支援ではなく、実際にお客様の現場に入って、どういう業務フローが良いのかを一緒に考えながらソリューションを組み立てていきます。特に物流やサプライチェーンの領域は、今後ますます人手不足が進んでいくので、AI活用の重要性はどんどん高まっていくと考えています」(小村氏)
同社は平均年齢26〜27歳という若い組織でありながら、すでに多くの大手企業のAI導入支援を手掛けています。案件数や売上も急速に伸びており、それに伴って採用強化も重要なテーマになっています。
顧客に伴走する「当事者意識」と 課題解決のための「論理的思考力」顧客に伴走する「当事者意識」と課題解決のための「論理的思考力」
同社が採用で重視しているのは、まず1つ目が「カルチャー/バリューフィット」です。単に技術力だけでなく、「クライアントと密接にコミュニケーションを取りながら、当事者意識を持って伴走できるか」を重要視しています。
「カルチャー/バリューとしては、我々はただの技術屋ではなくて、パートナーとしてお客様に近いところで課題解決をしていくスタンスを明確に示しています。なので、エンジニアであってもPM(プロジェクトマネージャー)であっても、お客様の立場に立って考えられるか、チームや社会と協調して動けるか、まずそういったカルチャー面の見極めが重要だと考えています」(小村氏)
2つ目は、スキル面。AI技術が急速に進化するなかで、単純なエンジニアスキルだけでは取り残されてしまうと、小村氏は指摘します。
「最近では、コードもAIが書く時代になり、エンジニアの業務をAIが担っていく部分がどんどん増えていっています。今後は、単純なエンジニアリングの技術力以上に、『何が問題で、どう解決していくか』という論理的な思考を持った人が必要になってきます。採用面接では、そういった上流のポテンシャルを深く見極めるようにしています」(小村氏)
テキストメモや口頭では伝わりづらい、候補者の人柄や温度感
急成長フェーズに入るなかで、同社では採用面接の数も年々急増しています。業務委託、長期インターン、正社員などポジション自体も増えていき、多い時では月に50〜60名の面接を行なっています。以前は、候補者情報や評価基準をNotionで管理。面接の録画や録音はとっておらず、情報伝達はテキストメモや口頭で行っていたため、「面接担当者の主観による評価になりやすいのでは」という課題がありました。
「面接中に会話しながらメモを取るのって、難しいんですよね。どうしても自分が気になった部分だけを書いてしまいがちで。後から見返したときに、どういう文脈でこの発言が出たのかなど、テキストだけだとかなり抜け落ちてしまう感覚がありました。そうした会話の文脈や、その人の人柄や温度感が詳細に伝わるようにするには、やはり録画などの仕組みが必要ではないかと感じていました」(近藤氏)
また、社内の面接体制や求める人物像の流動性が激しいといった、スタートアップならではの課題も抱えていました。
「一次面談の担当者、二次面談の担当者が頻繁に入れ替わるといった体制のなかで、面接内容の共有の難しさは特に感じていました。なかなか評価コメントを書く時間がなくて口頭のみにとどまってしまったりなど、ブラックボックス化していましたね。担当者どうしのすり合わせがうまくいかないと、質問の重複が生じたり、その人に合った深掘りやアトラクトができなかったり、それが承諾率の低下を招くだろうという危機感はありました。ただ我々は創立間もないスタートアップだったので、採用の経験もノウハウも少なく、どこから手をつけるべきかを模索していました」(小村氏)






